警察官の妻になると「仕事は続けられるのかな」と不安になる人も多いはず。
呼び出し、夜勤、転勤など特有の生活リズムがある中で、
共働きを実現するにはどんな壁があるのか、どう乗り越えるかを解説します。
警察官の妻はなぜ共働きが難しいと思われるのか
「警察官の嫁＝専業主婦」というイメージが、いまだに根強く残っているのは、
勤務の特殊さや地域ごとの風潮、家族からの価値観の影響が大きいのかもしれません。
でも実際には、家庭を支えながら働いている奥さんもたくさんいます。
私自身もこれまでに、正社員・専業主婦・パート・フルタイムと
様々な働き方を経験してきました。
中でも感じたのは、祖父母のサポートがないと、警察官の妻が正社員として働き続けるのは、
かなりハードルが高いという現実です。
「呼び出し・夜勤ありき」の生活スタイル
警察官は不規則な勤務が基本で、突発的な呼び出しや夜勤があります。
子どもの送迎や急な予定の変更など、すべて妻側に寄りがちになり、
「仕事どころじゃない」と感じる瞬間も少なくありません。
警察官の仕事は予測不能な勤務が多く、家庭内の役割が偏りやすい現実があります。
警察官の勤務は24時間体制が基本で、夜勤や早朝出勤、突発的な呼び出しも日常茶飯事。
家族の予定に合わせた生活が難しく、どうしても家事や育児は妻に偏りがちです。
最初は「仕方ない」と割り切っていても、積み重なれば大きなストレスに。
夫の不在を前提に家の中の役割を設計する必要があるため、
共働きを希望する妻にとっては覚悟が求められる場面も多くなります。
「自分の時間も大事にしていい」と思える環境を、夫婦で一緒につくる姿勢が大切です。
専業主婦が“当たり前”と思われる無言の圧力
「警察官の妻なら家を守って当然」
そんな無意識のプレッシャーを感じる場面は多々あります。
義両親や周囲からの何気ない言葉に、自分の働きたい気持ちが揺らぐこともあります。
「警察官の妻なら支えるべき」という空気に、仕事を続けたい気持ちが飲み込まれることも。
「警察官の妻は家庭を守るべき」という空気は、今も多くの家庭に残っています。
本人が働く意思を持っていても、周囲の何気ない言葉や“世間体”に
心が揺らぐことは少なくありません。
「子どもが小さいうちは家にいた方がいいよね。」といったアドバイスも、
時に重く感じるもの。
仕事を続けたい思いが「わがまま」と捉えられてしまうこともあります。
でも、家庭を支える形は一つじゃないはず。
自分の気持ちに素直に向き合うことこそが、長く続く幸せな共働きの第一歩です。
共働きを実現している警察官家庭のリアル
実際には、働きながら家庭を回している警察官家庭も多数あります。
どんな働き方を選び、どうやってバランスをとっているのでしょうか？
私自身の経験も含め、ご紹介したいと思います。
仕事を続ける妻たちが選んだ働き方の工夫
扶養内のパートを選ぶ人、在宅ワークや自営業に挑戦する人、
正社員でも時短制度を使う人など、それぞれの家庭に合った工夫が見られます。
扶養内パート・フリーランス・時短勤務…ライフスタイルに応じた柔軟な選択がカギになります。
実際によく選ばれている働き方
- 週3〜4勤務のパート勤務。
- 資格を活かした在宅ワーク。
- 融通がきく派遣や時短正社員。
「子どもの病気対応がある」「突発的に夫が不在になる」…こうした前提を踏まえて選べる働き方が、長続きの秘訣です。
子どもが急に熱を出したり、夫が非番でも急きょ呼び出される――
警察官家庭ではよくある光景です。
そんなとき、「職場に申し訳ない」と肩身が狭くなる働き方だと、
続けるのが苦しくなってしまいます。
だからこそ、最初から“想定外”を見越した柔軟な働き方を選ぶことがカギ。
時短勤務や在宅ワーク、理解のある職場など、ライフスタイルに合った環境を選ぶことで、
無理せず働き続けることができるようになります。
完璧を求めない姿勢も、実はとても大事です。
共働きを支える“見えない味方”の存在
実家のサポートを得ている家庭も多く、また地域の一時保育やファミサポも頼りになります。
家電や宅配サービスの活用で、家事時間を減らす工夫も欠かせません。
実家や地域のサポート、家電の活用など、第三の手を上手に使う家庭ほど両立しやすい傾向に。
共働きを続けるうえで、
「自分たちだけでなんとかしよう」と抱え込まないことが本当に大切です。
実家に頼れる環境があれば甘えていいし、
ファミリーサポートや一時保育、民間サービスなど“地域の手”を借りるのも立派な選択肢。
ロボット掃除機や食洗機、宅配食材などの家電・サービスも、時間と心にゆとりをくれます。
「第三の手」を積極的に使う家庭ほど、夫婦仲にも余裕が生まれやすく、
仕事と育児のバランスが保ちやすくなります。
共働き家庭が直面する3つのリアルな壁
「働きたい。」「でも現実は厳しい…。」
そんな葛藤を抱える警察官の妻は少なくありません。
では、具体的にどんな“壁”があるのでしょうか？
突然の勤務変更で妻の予定が崩れる
「明日出勤になった。」「今日泊まりになった。」など、
勤務変更が直前に決まるのは日常茶飯事。
子どもの行事や通院、自分の出勤予定とぶつかると、
すべて自分で対応するしかなくなるのが現実です。
交番勤務や事件対応で“今日は任せるね”が通用しないことが、共働きの難しさを加速させます。
勤務変更にまつわる困りごと
- 急にお迎えに行けなくなる。
- シフト変更に職場が対応できない。
- 当日中止になった家族イベント。
家庭と職場の板挟みになりがちなこの状況こそ、「予備プラン」と「相談相手」が重要になります。
突然の勤務変更や呼び出しで予定が崩れると、仕事にも支障が出てしまう…。
そんな場面は警察官の妻なら一度は経験しているはずです。
職場には理解されにくく、家では自分が対応するしかない。
そんな板挟みの中でも、事前に“代替案”を考えておいたり、
相談できる相手がいるだけで安心感がまったく違います。
夫婦で話し合って、助けを求める準備や頼れる人を把握しておくことが、
共働きを継続する土台になるのです。
夫が家事・育児に関われる時間が限られる
警察官の休日は突然変わったり、休み自体が不規則な場合がほとんど。
「休みの日は寝かせてあげたい」と思う反面、ワンオペで乗り切るには限界がある…。
そんなジレンマを抱える妻は少なくありません。
「休み＝休養」で終わる日が続くと、家庭内での役割バランスに不満が生まれやすくなります。
妻の不満がたまりがちな瞬間
- 夫が休みでも家事にノータッチ。
- 休日なのにワンオペ育児。
- 「俺は仕事してる」で片づけられる。
「やって当たり前」にならないように、感謝や見直しタイムを定期的に設けるのがコツです。
共働きをしていると、ついお互いの頑張りが“日常化”してしまい、
「ありがとう」が減っていきがちです。
でも実は、そこから不満がじわじわと積もっていくことも少なくありません。
家事や育児の分担がうまくいかない時ほど、
一度立ち止まって「最近どう思ってる？」と話す時間を持つことが大切です。
完璧を求めるより、「できることをできる時に。」「やってくれて助かった。」
と伝え合うだけで、気持ちのすれ違いはぐんと減らせます。
転勤・引越しでキャリアが中断される
警察官家庭では、数年ごとの異動があるため、転勤にともなう引越しは避けられない現実です。
勤務地が変わるたびに家族ごと転居することになれば、
妻の仕事はその都度リセットされる可能性があり、キャリアの積み上げが難しくなります。
ただし、夫が持ち家を所有している場合は、
そのエリア内の署での異動に限定されるケースもあります。
異動の仕組みや地域ごとの事情は異なるので、事前に確認しておくと安心です。
数年単位での異動がある警察官家庭では、転職や退職を余儀なくされることも少なくありません。
転勤による影響のリアル
- 退職せざるを得ないケース
- 転居先で保育園が見つからない
- 正社員のチャンスを逃す
